2014年度ゼミ長 武弓耕太
田路ゼミはベンチャー企業論・起業家精神をテーマに日々ゼミ活動を行っています。起業をするにはマーケティングや会計など、経営学すべての分野の知識が必要です。私たちはそれらを学ぶことで経営学の全体像を掴み、就職後にも役に立つ知識を得ることができます。さらに田路ゼミでは知識をアウトプットする機会を多くつくることでより実践的な力が身につけられます。今回は日々のゼミでの活動内容についてご紹介させていただきます。
【田路ゼミFacebookページ】https://www.facebook.com/tajiseminar
田路ゼミの活動内容は大きく授業内と授業外の二つに分けることができます。
授業内では主にケーススタディや英語プレゼンなどを行っています。田路教授のご指導のもと、ベンチャーから大企業まで幅広くケースを分析し、ディスカッションをします。また田路教授の解説により更に理解を深めることができます。
英語プレゼンはプレゼン能力の向上、グローバルな人材になることを目指し行っています。ゼミ内には留学経験がある者が多くゼミ生同士刺激をしあい良い環境を作り出しています。
授業外ではゼミ合宿やビジネスプランコンテストの出場などを行っています。2013年9月には青森へ出向き東北大学と合同ゼミ合宿を行いました。「星野リゾート 青森屋」を舞台にチームに分かれ青森屋のテーマに沿ったビジネスモデルを作成し、旅館の方々に発表させて頂きました。他大学のゼミとのコラボレーションにより、視野を広げるより良い機会になりました。
ビジネスプランコンテストへは毎年出場しており、田路ゼミを代表する活動です。ビジネスプランコンテストとは、新規事業のビジネスアイデアをゼロから考え、実際にビジネスとして通用するプランに仕上げたものを競い合うコンテストです。ゼミ生全員がグループに分かれてこれに参加し経験を積むことで、事業の精査を行い、起業に役に立つ能力がつきます。2013年度は大きな実績を残すことができました。(キャンパスベンチャーグランプリ東京大会優勝、Start Up Weekend世界大会進出)
【上記2大会記事】http://www.hosei.ac.jp/keiei/NEWS/topics/131211-1.html
http://www.hosei.ac.jp/keiei/NEWS/topics/131211-2.html
私たち田路ゼミは今年で8年目を迎えます。これからも田路教授のもと、多くの学びを通じ日々精進していきます。
2013年度ゼミ長 中江真子
長岡ゼミは、「創造的なコラボレーションのデザイン」というテーマで活動しています。
このテーマを聞いて、「経営学部っぽくないテーマだな」と違和感を覚える方が少なくないかもしれません。実は私自身も、ゼミに入ったばかりの頃はそう感じていました。「既成概念にとらわれてはいけない。ゼミのテーマにもその姿勢を込めている。」という長岡教授のお話を頭の中では理解しつつも、友人たちから「変わったテーマだね」と言われると、「長岡ゼミのテーマも、◯◯論や◯◯学と表現できた方がいいのに・・・」と思ったこともありました。
でも、この2年間、長岡ゼミの特徴である「フィールドでの参加体験型活動」や「アウトプット志向のプロジェクト学習」に取り組んでいるうちに、「創造的なコラボレーションのデザイン」という経営学部っぽくない表現方法が、私たちのスタイルにはぴったりだと思うようになりました。
【長岡ゼミのサイト】http://www.tnlab.net
2011年4月の入ゼミ以来、長岡教授の指導のもと、「ワークショップの企画/運営」、「実験的ドキュメンタリーの制作」、「対話型イベントの企画/運営」といった多くのプロジェクト活動を経験してきました。というより、〈ゼミ=実践活動〉というのが、正直な印象です。そして特に、私にとって強く印象にのこっているのは、学外の活動を積極的に行ってきたことです。長岡ゼミが取り組むほとんどのプロジェクト活動には、他大学の学生や社会人の方々が参加していますし、場所についても、教室やキャンパスから飛び出していくことが頻繁にあります。つまり、様々な人々と、様々な場でのコラボレーションを実体験し、その中でいかに創造性を発揮するかを実践的に学ぶことが、長岡ゼミのスタイルです。
そんな中、現在最も積極的に取り組んでいるのが「カフェゼミ」という新しいスタイルの「対話型学習イベントの企画/運営」です。「カフェゼミ」は、毎月1回、市ヶ谷キャンパスの近くにあるカフェの一角を使って、開催しています。様々な大学の学生に加え、社会人の方々も参加しているオープンゼミのような場ですが、洒落たインテリアに囲まれ、素敵なカップで提供されるコーヒーと美味しいケーキを前にすると、それだけでウキウキし、初対面の参加者同士でも対話がはずみます。自由でリラックスできるカフェの雰囲気をうまく活かし、様々な大学の学生が学び合う新たな学びの場の可能性、更には、学生と社会人の境界線をなくし、自由で創造的なコラボレーションを生み出す場の可能性を探索していきたいと思います。
【カフェセゼミ】http://www.facebook.com/pages/カフェゼミ/384043185037019
長岡ゼミが始まったのは2011年4月で、今年の3月に最初の卒業生を送り出したばかりです。まだまだ経験不足で、学ぶべきことが山積みのゼミではありますが、フットワークとネットワークを駆使しながら、「創造的なコラボレーションのデザイン」にチャレンジしていきたいと思います。
第8期ゼミ長 蝶名林みどり・小石謙太
西川ゼミは、法政大学において今年で開講4年目を迎え、今までの良い伝統を守りつつ、新たなことに取り組んでおります。そのような西川ゼミを現役生の視点から紹介させて頂きます。
西川ゼミのテーマは、「楽しい」をカタチにする実践的マーケティングです。日々の授業では、マーケティングの課題図書や論文、マーケティングの新聞『日経MJ』の事例発表に取り組み、学生同士が活発に議論を交わしています。
とりわけ西川ゼミの大きな魅力は、次の2点につきます。1点目は、商品企画を実践できることです。その代表例は、大学横断の商品企画プロジェクトであるSカレ(Student Innovation College)に参加することです。そもそも、このSカレは、西川教授が就活に役立つようにと考案されたもので、今年は全国28大学、32ゼミ、428名がそれぞれチームを組み、調査から企画までを行います。ネスレ日本やマイナビなどの協力企業があり、成功すれば実際に商品化されるため、学生にとっては実践的なマーケティングを経験できる貴重な機会となっております。
他にも、企業からの課題に対して商品を考案するワークショップや、ビジネスコンペにも取り組み、昨年度は無印良品に「文房具」について商品提案をさせて頂きました。
2点目は、企業の方や社会人の方との交流が数多くあることです。法政大学における西川ゼミは2010年に始まりましたが、法政大学のOB・OGの先輩方だけではなく、西川教授の前任校である立命館大学のゼミOB・OGの先輩方(第1期から5期生)とも大学間を越えて交流があり、様々なアドバイスをしてくださいます。
さらに西川教授の豊富な人脈により調査研究による企業訪問をはじめ、海外夏合宿での現地駐在員の方とのワークショップや、社会人向けセミナーの参加等の多彩な機会に参加させて頂いております。先日は、熊本県庁の方にお越しいただき、人気ご当地キャラクター「くまモン」のマーケティング戦略について、お話しを伺う機会もありました。
このようにマーケティングを中心として、西川ゼミ一同、様々な「楽しい」をカタチにしています。この機会をお借りしまして、皆様方のご協力に感謝申し上げますとともに、今後もご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
※西川ゼミfacebookページで日々の活動をご覧いただけます。ぜひ、「いいね!」をして応援をお願いします。
http://www.facebook.com/nishikawasemi
金瑢晋(担当科目:企業財務論)
金ゼミは2003年度に発足しました。私は、学部では企業財務論を、大学院では基礎ファイナンスと財務戦略論を担当しています。経営学部に着任してから十年余りになりますが、この間、ゼミ生のカラーもすこし変わってきたような気がします。私の加齢による感覚変化のせいなのか、時代の流れの影響なのか分かりませんが、最近は、控えめで大人しい学生が増えてきたように感じます。以前は、ゼミ長選出の際に複数の候補者が競争する時もあったのですが、ゼミ長を含む今年度の執行部はジャンケンで決まりました。然れどもゼミ生みんなが協力し合いゼミ運営を円滑に行っており、責任感と協調性が見て取れます。
ゼミでは、学生の要望と私の教育方針を融合しながら、年毎テーマに少しずつ変化を取り入れてきました。今まで取り扱ってきたテーマは、ポートフォリオ理論を含む証券投資論、デリバティブの価格評価、企業の財務行動、金融・財務データの分析等といった内容でした。今年度は、前半に証券アナリストのための高校レベルの数学をおさらいし、企業価値と株式の評価について勉強しています。企業価値の評価については単に理論的なアプローチに留まらず、実際ゼミ生が興味のある上場企業を選び、入手可能な情報に基づいて、アナリストの立場になって評価を行うようにしています。ゼミは、基本的に学生からの報告、学生同士のディスカッション、私からの補足とまとめで成り立っています。また、テーマによっては、私の方から先に講義を行う時もあります。
ゼミでは、「他の人の書いたレポートなどを批判的に読む力」を培うことを大切にしています。ファイナンス分野では、企業や投資家が同じ理論に基づいて意思決定問題を分析するにもかかわらず、インプット値の恣意的な選択により意思決定問題の解釈が異なる場合があります。学生が著者と異なる視点や前提から意思決定問題を再検討してみることは、その問題を総合的に理解する上で大いに役立つと思います。ゼミではこのような学習態度をしきりに促しています。
決まったテーマを学習する以外に、毎年欠かさず東京証券取引所を見学し、模擬トレーディング及び東証主催のセミナーに参加しています。資本市場の象徴とも言える証券取引所への訪問はファイナンスゼミにとって心待ちにする恒例行事になっています。もう一つの行事は、ゼミ生が日ごろ興味を持っていた金融・財務に関わるテーマを一つ選び、調査・分析を行った上でプレゼンテーションを行うことです。このプレゼンテーションは、学生にとって通常の報告と一味違う緊張感と達成感を覚える機会になると思います。
ゼミ生の就職先は金融・証券・保険業をはじめ、建設、不動産、情報・通信、流通、公務など多岐にわたっています。卒業生から時々近況報告を頂くことは些細な喜びであります。
佐野嘉秀(担当科目:人的資源管理)
わたしが法政大学経営学部に着任したのは2008年4月ですから、2013年度で6年目となります。前職は東京大学社会科学研究所という研究機関ということもあり、学部でゼミを担当するのは、法政大学経営学部が初めてでした。手探りのなか、学生の意見をききながら、法政大学経営学部で勉強してよかったと学生に思ってもらえるようなゼミ運営を目指しています。
わたしの担当する講義は「人的資源管理」なので、ゼミでも人材マネジメントに関わることを勉強しています。実務経験からOB・OGの皆様には共感してもらえると思いますが、人材マネジメントに唯一の正解はありません。企業・組織を取り巻く市場環境や経営戦略、働く人の意識、その背後にある社会規範や価値観などが異なれば、適切な人材マネジメントのあり方も異なるはずです。そうしたなかでは、人材マネジメントに関する様々な理論や考え方を広く知り、それらを踏まえて、実務の場面でそれぞれが直面する個別的な状況に対応した適切な人材マネジメントを判断する力が求められます。わたしのゼミでは、学生にそうした柔軟な思考力を身につけてもらいたいと考えています。
ゼミでの学習方法はオーソドックスなものです。人材マネジメントに関わる文献を読み、グループで論点を整理し、ディスカッションのなかで文献の主張を批判的に検討します。文献をつうじ人材マネジメントの理論や考え方を知り、ディスカッションをつうじて他の人の意見を取り入れつつ判断する力を磨きます。その積み重ねが人材マネジメントの実践の場面でも役立つ力を養うと考えます。
文献としては、テイラーやドラッカー、フォレットのような古典のほか、近年の文献のなかから、あえて互いに矛盾するような主張が含まれる複数の文献を選んでいます。例えば、『ウォー・フォー・タレント』という本と『隠れた人材価値』という本を合わせて読みました。前者は、アメリカのコンサルタントグループが執筆した文献で、企業が高業績をあえるうえで、適切な採用手法と処遇をつうじ「優秀」な人材をいかに採用し定着させるかを説いています。これに対し後者は、アメリカにおけるいくつかの企業の実例を引用しつつ、決して「優秀」とは言えない人材だけでも、適切な人材マネジメントにより高業績を達成できることを示しています。どちらもそれぞれ説得的ですが、人材についての見方は根本的に異なります。どちらかだけが正しいとも言えません。学生には、人材マネジメントに関するこうした様々な考え方について、文献の丁寧な読み込みとディスカッションをつうじ理解を深めてもらいます。そのなかで、人材マネジメントについての基本的な価値観を築くきっかけを得てほしいとも思います。ちなみにゼミ生の多くは、人材育成を重視する後者の文献の主張のほうにより大きく共感したようです。
ゼミでは、こうした文献講読のほか、グループごとにそれぞれの関心に応じたテーマを選び、関連する情報を調べ、発表する機会も設けています。テーマの例を挙げると「若年者を定着と人材育成」「女性の管理職登用」「学力と採用との関係」「定年後再雇用者の活用」などでした。このほか、人事担当者や職場管理者などとして活躍される方々をお呼びして、具体的な人材マネジメントの課題を教えてもらったりもしています。
ゼミ生の卒業後の進路は、製造業、流通業、サービス業、金融業、公務員など様々な分野にわたります。人材マネジメントは、いずれの業界の企業・組織で働いていても所属部署や立場を問わず必要とされます。ですから、人材マネジメントの知識や考え方は、卒業後にどのようなキャリアを選んだとしても、きっと役立つはずです。まだ若いゼミなので、卒業した皆さんのこれからの活躍を大いに期待しているところです。そうしたなか、ゼミのOB・OGと現役生とのあいだのつながりができ始めたことは、大変うれしい出来事です。
岸 眞理子(担当科目:経営情報論)
私は大学院修了とともに法政大学に赴任し、以来、今日までゼミの指導にあたってきました。数えてみればゼミのOB・OGは200名を超えています。
私の研究領域は「組織と情報」に関するものですので、ゼミでも、毎年、これに関連した具体的テーマを設定し、そのテーマについて深く学んでいくことにしています。今年度のゼミのテーマは「ナレッジ・マネジネント」でした。知識の時代が強調される21世紀、知識の活用は企業組織の目的でもあり機能でもあります。ICT(情報通信技術)の活用が当たり前となった今日、ICTの活用を前提としたうえで、知識の組織的な活用能力の向上が企業にとってますます重要な課題となっています。
そもそも岸ゼミで力を入れていることは、知識のインプットとアウトプットです。知識のインプットのために、まず、ゼミで使う教科書以外にも、何冊かの補足教材を各自読みこむことで、基礎的な専門知識を身につけるよう指導しています。また、このような知識をベースに企業の実際について学ぶために、データベースを活用して具体的な企業事例を調べること、ゼミに社会人のゲスト・スピーカーを招くこと、企業訪問の機会を設けることなど、さまざまな機会を通じて生きた知識のインプットができるように努めています。
知識のアウトプットのためには、まず、インプットした知識を活かし、自分なりに消化してアウトプットする方法から学んでいきます。発表らしい発表やディスカッションを行えるように発表や議論の方法について学習し、これを毎回のゼミで実践していきます。また、レポートの提出を通じて論理的に書くことも勉強するように心がけています。ゼミでの勉強の集大成である卒業論文の指導は、時間をかけて丁寧に行っています。
ゼミでの学習は、ゼミという組織のナレッジ・マネジネントの実践そのものとしても機能しています。個人で得た知識をゼミにいかに伝達し、ゼミでいかに共有し、ゼミの知識としていくか、単に言葉にできるもの以外にもゼミという場に共有される目に見えない知識をどのように活かしていくか、まさに「モノ」から「コト」への変換の重要性を学んでいるといえます。
ゼミのOB・OGは、ゼミでの勉強を活かして、IT業界はもちろん、マスコミ、シンクタンク、大手メーカー、大手建設会社、金融機関、官公庁をはじめ幅広い分野でそれぞれ活躍しています。OB・OGがこのネットワークを相互に活かせるよう、また現役生が社会進出へのアドバイスを得られる機会とするよう、ゼミOB・OG会の実施をほぼ毎年行っています。今後もこのネットワークは大切にしていきたいと思っています。
金容度(担当科目:日本経営論)
私は2002年4月に法政大学経営学部に着任しまして、その約2ヶ月前に急逝された故橋本寿朗先生のゼミを受け継ぐ形でゼミ担当を始めました。
私が学部で担当する講義は日本経営論ですが、ゼミ授業では、日本企業だけでなく、アメリカ、韓国、中国の企業の中で毎週1つの事例を取上げ、ゼミ生にテキストを読ませ、ゼミ生全員に論点を出させ、それらの論点に基づいてディスカッションを行います。例えば、各社の成長の歴史・現状に現われる特徴は何か、成長要因は何か、また、今直面している、あるいは近い将来に直面すると予想される課題は何か、それに対応してどのような経営戦略が必要なのかなどについて、ゼミ生と対話しながら、議論を深めます。こうした毎週の授業内容から何を学んだかをゼミ生に書かせて、翌週の授業の課題として提出してもらいます。年1回~2回は、企業で働く方をゲストとして呼んで、話しを聞いた上で質疑応答を行う機会も設けています。
夏と春の年2回の合宿授業では、普段のゼミ授業では取上げない、経営史の文献を読んで議論する場合もありますし、グループを分けて、日本の同業企業間の比較、日本企業と海外企業間の比較を行う場合もあります。4年生には卒業論文の作成を課しておりまして、提出された卒業論文を製本して、1年後の春合宿の際、新しくゼミに入ってくる学生にそれを読ませて、最も関心のある論文を一つ選ばせ、それについて感じたことを報告させたりもします。
最初の数年間(2003年~2007年)には毎年の2月か3月の数日間、ゼミ4年生を連れて韓国を訪問して、サムスン電子など韓国の大手企業やその工場を見学したり、産業・歴史遺跡地、韓国の文化を紹介する施設などを見学しました。
私がハーバード大学の客員研究員として2年間アメリカボストンに滞在した、2009年4月~2011年3月の2年間を除く、ゼミOB会も毎年欠かさず行っています。ゼミの卒業生は、金融機関、製造メーカー、サービス業、通信企業、流通企業、放送局、公的部門、など多様な分野に進出しています。少数ではありますが、自ら創業している企業家もいます。最近現役ゼミ生の就職状況がやや厳しくなったこともあり、OB会は、多様な分野に進出しているゼミOBが現役生の社会進出についてアドバイスを行うという意味も強くなっています。
私は、法政大学体育会少林寺拳法部の部長を約6年間務めていますが、同部のOB間、OBと現役部員間の仲間意識の良さを強く感じています。私のゼミのOBや現役生も同じような仲間意識をもち続けるようにすることを心がけております。
坂上学(担当科目:監査論)
私が法政大学へ赴任したのは2009年4月のことですので、まだ日が浅く卒業生も多くを輩出していませんが、ゼミでの取り組みなどを簡単にご紹介させていただきます。
学部の授業では、専門科目として「監査論」や「簿記入門」等を教えていますが、研究の専門領域としては広く財務会計・会計ディスクロージャーの問題を扱っています。ゼミで扱うテーマも、財務会計や企業評価などで実務的というよりも理論的な側面の強い題材を取り上げるようにしています。たとえばテキストとしては、スコット著『財務会計の理論と実証』、ビーバー著『財務報告革命』、桜井久勝著『財務諸表分析』などを使ってきましたが、会計学だけでなく経済学・ファイナンス・統計学との接点のある内容のものを選んでいます。学生達は、当初想像していた会計学のイメージとはかなり異なるものを勉強することになりますので、最初のうちはかなり苦労しているみたいですが、それでもゼミに2年も在籍するようになると理解が進んできます。これまでに卒業した学生達も、知識豊かで頼もしく感じられる人間となって法政大学を巣立ってくれたように思います。
坂上ゼミの特徴としては、大きく2つあると思います。1つは、普段のゼミとは別に、日経ストックリーグやインナー大会(日本学生経済ゼミナール主催)などへ積極的に参加していることです。これらの課題をこなすために、学生の自主性にまかせて週2日のサブゼミナールを行っています。上位入賞という成果はまだ得られていませんが、いつかは上位入賞できるのではないかと期待しています。もう1つは、ゼミ合宿を海外で実施することでしょうか。ゼミ合宿というよりゼミ旅行に近いものですが、単に会計学の問題だけでなく海外情勢について多角的に考えるきっかけとなるように、行った先々での色々な問題を事前にレクチャーし、現地での視察を通じて考えさせるなどの取り組みを行っています。ゼミ合宿にあまり大金を使うわけにはいきませんので、アジア太平洋の近隣国に集中していますが、基本的にゼミ生自身で行き先を決定しています。
ゼミ生の進路先ですが、会計学ゼミということもありまして、会計士や税理士志望の学生が毎年入ってきます。現役で会計士試験を合格した者をはじめ、卒業してからも会計大学院に進学して会計士の勉強を続けている者、税理士試験に取り組んでいる者が、毎年一定数おります。この他では金融機関と公務員になる学生が多い傾向にあると感じていますが、まだ若いゼミですので、今後の発展に期待したいと思います。同窓会の皆様のご支援を賜りたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。
第9期ゼミ長 福島瑛二
竹内淑恵ゼミは今年、記念すべき10周年を迎えました。現役ゼミ生の目からゼミを紹介したいと思います。
竹内教授は、2003年4月着任以来、学部と大学院でマーケティング論、インターンシップやゼミなどを担当しています。また、公益社団法人ACジャパンのキャンペーン広告外部審査員や日本マーケティング大賞選考委員など、外部の仕事にも携わっています。大学卒業後、ライオン株式会社に就職し、5年間の研究所勤務を経た後、マーケティング本部広告制作部にて18年間、数多くのブランド広告を担当し、商品企画開発の支援業務も行ってきました。また、仕事の傍ら夜間大学院に通い、ブランド育成のための広告のあり方や広告効果について研究してきました。最近では、企業がtwitterやfacebookなどをマーケティングツールとして使用し始めたという社会的背景を捉え、SNSを活用したコミュニケーション効果の研究もしています。
竹内教授の研究テーマは主にブランド育成、広告コミュニケーションですが、ゼミでは広告を中心に、広くマーケティングを理解することを目指しています。実務経験の長い教授からのアドバイスやお話からマーケティングの実践的な見方や知見を得られます。
前期は毎年新しい本を教材とし、輪読をします。2012年度は『異文化適応のマーケティング』を学びました。また、統計解析ソフトSPSSを使用して、研究上必要になる分析手法やデータの扱い方を習得します。後期は、12月に開催される「関東学生マーケティング大会」の最終報告に向け、毎週教授とゼミ生を相手にプレゼンをします。前期に身につけた知識を実践に活かす良い機会となっています。
「関東学生マーケティング大会」は、早稲田、慶応、立教、横浜国大など10校以上が集い、マーケティングを学ぶ学生が大学の壁を超えて自らの研究成果を競い合う大会です。幅広い研究に触れることで知識をより深めることができます。授業外のサブゼミではこの大会に向け、白熱した議論が展開されます。竹内ゼミは周りから「がちゼミ」といわれ、厳しいとか大変だと思われていますが、この大会でも上位に食い込み、「法政大学懸賞論文」でも入選や佳作に名を連ね、ゼミ生のやりがいと達成感は大きいといえます。
授業では真剣に!飲み会では大いに盛り上がる!そのメリハリが竹内ゼミの魅力です。OB、OG諸先輩が培ってきた、活気のあるゼミであり続けるために、今後とも現役生一同、切磋琢磨していきたいと思います。
35期ゼミ長:最上雄平
小川ゼミは今年で36年目を迎え、OB、OG数は、300名を超え、現在の経営学部の中では、長い伝統のあるゼミの一つになっています。そのような小川ゼミを現役生の視点から紹介させて頂きます。小川ゼミを端的に表現すると、マーケティングを軸に、頭・心・体を鍛える事のできるゼミです。
普段の授業では、ゼミのテーマである「マーケティング論」を、英語のテキストを使用し、レジュメにまとめ、発表するという輪読形式で学んでいます。先生からは、理論の解説はもちろん、各企業のこぼれ話などが聞け、大変充実した時間を過ごせます。
また、小川ゼミの大きな特徴として、「フィールドワーク」が挙げられます。
「フィールドワーク」とは、授業とは別に、ゼミ生が4つの班に分かれ、一年間、担当企業の分析、調査、提案等の活動を行うものです。学生にとっては、テキストでは学べない、生きたマーケティングを学べる貴重な機会です。
今年度は、ホームセンターの「カインズホーム」、主に埼玉県で展開する総合スーパーの「ヤオコー」、山形の老舗駅弁屋の「松川弁当」、電子広告であるデジタルサイネージを扱う企業の4社を担当させて頂いています。
1年間のフィールドワーク中、担当企業の方、ゼミのOB・OG、外部の方向けに、10月には中間発表会、2月には最終発表会を行い、成果を競い合います。この発表会の様子は大学のホームページ上でも紹介されています。
年々、中身の濃い活動が出来ており、昨年度の例を挙げますと、カインズホームとの活動では、女性向けのカー用品を開発し、100店舗で発売されました。また、松川弁当との活動では秋と春に駅弁を開発、販売し、1220万円を売り上げる等の成果を残す事ができました。
他にも、小川ゼミの特徴として、先生ご自身が「体育会ゼミ」と表現しておられるように、「アクティブさ」があります。教室を飛び出して授業を行う「青空ゼミ」、先生と皇居一周を対決する「皇居マラソン」などのイベントがあります。また、年2回の合宿では、勉強の他に、スポーツをする時間、近頃はマラソンをする時間を設けるなど、非常にアクティブに合宿を過ごしています。
皆様方のご協力のおかげで、このように充実したゼミ生活を送ることが出来ています。この場を借りて御礼申し上げます。
今後も小川ゼミ生である事を忘れずに、頭・心・体を鍛え続け、活動していきたいと思います。
清成忠男
清成先生は、昭和四十七年に法政大学経営学部助教授として教鞭をとられることとなりました。
清成ゼミ一期生は、四月の時点で何処のゼミにも決まっていないツワモノぞろい!! 清成先生は、なんと志願者全員の合格という大盤振る舞いに打って出られたので、なんと二十七名という大所帯の清成ゼミ一期生誕生となったのでした。
改めて書くこともないのですが、ベンチャービジネスという和製英語を広く世間に周知させたのは清成先生と中村秀一郎先生でございます。
先生のゼミのテーマは、「中小企業論」ですが、今でも無知なマスコミや政治家が、中小企業は全てが競争力のない弱い存在でかわいそうなものであるという論調に終始しておりますが、清成ゼミの中小企業論は大企業に負けない、独自の技術を持っているような企業にスポットをあてた活力あふれる中小企業論でありました。
清成先生は助教授を一年、翌年には早くも教授、そして経営学部長を経て法政大学総長となられます。ここに至って清成ゼミは二十四期生でハッピーエンドを迎えるわけです。
ツワモノぞろいの一期生から、先生もゼミ生選考のハードルをどんどん高くされ、経営学部の有名ゼミと肩を並べるレベルになったと聞いたのは十期生くらいからでしょうか?
2010年5月、 「清成忠雄先生・喜寿のお祝い」を開催致し各界の方たちと共に清成ゼミOB達も多数参加し先生の喜寿をお祝いすると共に、先生の記念講演を拝聴ししばし学生気分を味わせていただくことができました。
清成ゼミのOB総数はおおよそ230名ですが、私たちのゼミは「総長ゼミ」であるとの誇りを持ってこれからも活動致して参りたいと思います。
鈴木武(担当科目:基礎統計学、計量経営分析)
法政大学に赴任したのは1976年で、今年で36年目を迎え、すでに定年延長に入っています。この間、統計学の講義を担当してきました。統計学というと確率や数式を使った学問というイメージですが、英語では統計学を statistics と言い、「状態」を意味するラテン語から派生したものです。英語のstateから分かるように、そのラテン語が国家や国土を意味するようになりました。したがって、人口や生産物など国の状態を記述する学問として統計学は出発したのです。それとは別に偶然を記述する確率論が成立し、それと結びつき現在の数理統計学ができあがりました。
統計学の柱の一つに大数法則があります。ある現象を観測し、その分布の平均値を計算します。観測数によって平均値は変化しますが、観測数を増加していくと、平均値は一定の値に近づいていくことが言えます。大量に観察すると規則性が見えると言ってもよいでしょう。戦前の日本の統計学では、これを「大量」と表現し、社会的な存在と考えていました。したがって、統計学は社会科学という位置づけでした。
法政大学に赴任したときの条件として、担当科目では確率や推定・検定という数理統計学を教えてほしいということでした。初等的な統計学では、記述統計と推測統計を教えるのが標準です。文科系の学生には、平均・分散という分布を表現する基本的な数字のほか、統計調査の実態や国の統計制度を話すのがよいと思いますが、どうしても確率・推定・検定という方に重点がいってしまいます。この点が多くの学生には敬遠されることになります。したがって、ゼミ生にも統計学をあまり強調しないでやってきました。
ゼミでは、統計的手法を基礎にして興味ある現象を分析するという方針をとっています。するとゼミ生は競馬や株、あるいはパチンコやギャンブルという話題を出します。しかし、これらを統計的に分析することはかなり困難です。もし法則性が見つかれば、それに従って掛け金を積めば、いずれは大金が入ってくることになります。そんなことはあり得ません。特殊な情報をつかんだ人は儲かるかもしれませんが、学問的に普遍性はありません。
ゼミでのテーマは、主に経済現象を対象に毎年変えてきました。一時期は需要関数の推定というテーマで、バナナの需要関数を手始めに、野菜、肉、魚、パンなどの産業を調べてみました。ある時期は、私が興味を持っている都市をテーマにしました。たとえば、どの程度の人口があれば、その都市で匿名性が保たれるかを調べました。端的に言えば、街中にあるラブホテルに歩いて入れる都市の人口は何万人以上かということです。タウンページから全国で約5千のラブホテルの住所を入手し、地図上にプロットしデータを作成して回帰分析をしました。ゼミ生が行った結果は15万人以上ですが、この分析手法は間違っていました。私の試算では約50万人以上です。別の年度には北海道の都市を分析したり、あるいは、ディズニーランドのようなテーマパークを全国のホームページから探しだし、その特徴を分類してみました。
最近数年間は、株をテーマにしてきました。日経ニーズから上場全社について財務データを収集し、株価を説明しようとしました。結果はうまくいきませんでした。1億円を儲けようというテーマでしたが、結論は堅実に投資をすることです。30年以上の長期間でみれば、過去の株価全体の実質成長率は年率7%弱です。実質成長率の分散も長期間になるほど小さくなるので、確実に儲かります。それに対し、国債等の債券はインフレによって減価してしまいます。ゼミ生には30歳までに500万円の株式投資を、35歳までにさらに500万円を、その後いくらかを投資すれば、退職時に約8倍になり1億円になるでしょうと話しています。私自身はしていません。
横内正雄(担当科目:国際金融論)
横内ゼミを紹介します。
私の法政大学への赴任は1992年4月のことでした。その時以来、在外研究に出た2002~03年度を除いて18期のゼミ生を指導してきています。
ゼミで扱うテーマはわたしの専門領域である国際金融ですが、特にそれにこだわらず、広く世界経済、日本経済について学んでいます。ゼミでは前期に国際金融のテキストを使って基礎的な概念を学びます。ここでは学生の報告に私が詳しく解説して行きます。後期は、学生による報告が主体で、2~3年生が進級レポートの論文の中間報告、4年生が卒業レポートの報告を行っています。他のゼミと同様に夏と春にゼミ合宿を行っています。最近では夏に富士セミナーハウス、春に三浦セミナーハウスを使うのが恒例となっていますが、合宿では学生が自主的にテーマと報告者を決めてディベートを行ったり、金融にかかわるドキュメンタリーや映画を観て議論したりしています。むろん、ゼミの後はコンパで大いに盛り上がります。夏はBBQ、春は追いコンと、ゼミ生そして私も楽しみにしています。
今のゼミは昔と違い、ゼミ室にとどまった活動だけでなく、多くのゼミは校外にも足を伸ばしています。わたしのゼミでは毎年前期と後期に1回ずつ校外見学を行っています。訪れる場所は、日本銀行や東京証券取引所ですが、金融関係だけでなく製造業の現場も見たいと思っており、今後見学場所を増やしていこうと考えています。
また、学生には簡単に手に入る本を年間8冊指定し、自主的にレポートなり、感想なりを書いて提出するよう求めています。この8冊の本の中にはやや固い本もあります。最近の学生は本を読まなくなった、インターネットで調べてそれで終わらせているなどと言われますが、本を読んで自分の考えをまとめる作業をしてもらっています。
サブゼミはありませんが、学生は毎年日本経済新聞が主催する「学生対抗円ダービー」に参加しています。これは、5月末と6月末の円ドル相場を予想し、2回分の予想と実際の値の差を合計して数値がもっと小さいチームが勝者となるものです。いつも2チームに分かれて参加していますが、様々な経済指標を集め、場合によっては政治情勢を勘案して予想をたてています。今のところ2回の予想をずばり当てることはできませんが、かなり近い値を予想できたこともありました。
おかげさまで、このところの就職難の中ではありますが、毎年ほぼ全員就職が決まっています。やはり、金融機関への就職が多いのですが、メーカーやIT関連企業などにも就職しています。最近「就業力」という言葉が盛んに使われるようになってきています。就業力を法政大学では①文書作成力、②情報収集・分析・発信力、③状況判断・行動力として捉えています。これはゼミによって最もよく育成できるものだと思います。内定をもらった学生から「ゼミ学んだことが大変役立ちました」と言ってもらえると、少々むずかゆくはありますが、本当にうれしく思っています。
経営学部経営学科H組 昭和49年卒業 小林一信
平成23年の11月、市ヶ谷でクラス会を開きました。大学のクラス会は珍しいのだそうです。昭和49年の春卒業ですから37年ぶりの再会でした。
卒業して間もなく有志が残してくれた帰省先の載った住所録を元に、現住所の確認作業を始めたのは22年の夏でした。中々埋まらない名簿も徐々に埋まり41名のうち32名まで確認が取れるようになりました。その間、関東在住の級友に声をかけ「準備会」を立ち上げました。その「準備会」も最初はミニクラス会みたいなものでした。名前と顔と記憶の確認に何度も準備会を開き、本番の「クラス会」の日程を、「桜の咲くころ、母校のそばで」と決め準備を進めていきました。
開催までひと月足らずの3月11日に東日本大震災に見舞われ、延期を余儀なくされてしまいました。あの大震災と大津波により、級友の一人が被災していました。間もなくそれを知った級友たちから自然と支援の声が上がり、応援メッセージや義捐金が彼の元へ届けられました。あの未曾有の天災のおかげで「友情」が新しく復活することになったのです。
クラス会は、確認の取れている32名のうち28名までの出席を見ることができました。被災した東北青森から、九州新燃岳の宮崎まで、全国から母校前に集まりました。その11月5日は奇しくも「学園祭」の当日で、若き後輩たちの喜々とした姿をみて、37年の時の流れやわが身の歳を弥が上にも実感させられたのは私だけではなかったようです。
最初のクラス会ですから多少は型どおりの進行にはなりましたが、変容した級友の顔と昔の記憶が繋がるのにそう時間は掛りませんでした。37年の時空がお開きまでには完全に埋まっていました。筆を進めている今でも、肩を組んで校歌を歌った、みんなの声が耳の奥に響いています。
まだ名簿は埋め切れていません。地道に調べていつか全員でクラス会を開きたい、これは私だけでなく11月5日に集った級友たちの思いでもあるでしょう。
次回はいつにしよう。そんなメールが昨日も届きました。
正門前:外堀の階段にて
懇親会会場にて:集合写真
校歌斉唱1
校歌斉唱2